世界一周クルーズのお客様は、今日が
横浜を出港して
丁度50日目なんだそうです。
約半分の航程が終了したことになりますが、
こうして世界中の文化に触れられるなんて、
本当にうらやましい限りです。
もちろん私自身その一端に触れさせていただけていることは、
この上ない幸せだと思います^^
さて、幸せと言えば‥。
前々からお伝えしていますように、今日
ドナルド・キーン先生の、
3回あるうちの1回目の講演日。
源氏物語のお話をしてくださるので、最後のほうに私も登場させて
いただいて、御一緒にお話をさせていただく事になりました。
午後の講演ですので午前中に軽く打ち合わせをさせていただきました。
軽い歓談の中で秘書の方が、「渡辺さんは、源氏物語の54帖の54の数が、
煩悩の数の108に何か関係があるのではという見方をどう思いますか?」と
おっしゃいました。。
きゃぁ~。。考えた事もありませんでした(><)
キーン先生は、意味がある数ではないかと密かに思っているそうです。。
確かに‥。。。
そうやって読み込んでいくと更に面白くなりそうです。。
研究者の視点を見せていただいて、ただただ感心するしかない凡人な私でした(^^;)
先生は、10代後半、世界中が戦争の空気に覆われ非常に鬱々とした日々
を送っていたそうです。
そんな時、偶然街の本屋さんで
アーサーウェリー訳の
源氏物語を手にし、
その美の世界、もののあわれを感じさせる精神の世界などに魅了されたそうです。
そうした偶然の出会いが、キーン先生のその後の運命を
決める事になるのですから、偶然は必然という言葉が
リアリティを持ってきますよね^^
心を捉えた数々の要素の中からひとつ具体的なものをあげますと‥。
例えば、文(ふみ)を送る時です。
内容はもちろんですが、紙を選び墨の色合いを選び、たたみ方も工夫し、
それにそえる季節の草花、そしての文を誰に持っていかせるかまで心を配る‥。。
大学でフランス文学や他の国の文学も研究なさっていた時代だったそう
ですが、源氏物語に描かれているような細やかな美の表現には出会って
いなかったそうです。
‘なにげない日常の中に美しい世界を作ることが出来る’
このような世界がある事を知ったことは、当時のキーン先生にとっても、
暗く沈みこんで希望が持てなかった現状に、光を見せてくれるものだったそうです。。
~すごいですよね=。。
改めて、私達はそうした素晴らしい宝を手にしていることに感動してしまいます。。
キーン先生は、文化勲章をはじめ多くの受賞歴がありですが、日本文学
の素晴らしさを世界の人々に伝えてくださった功績以上に、もしかしたら、
私達日本人に、自国が持つ宝の存在を伝えてくださり、改めて目を
開かせてくださる大きな功績もおありだとつくづく思いました。
次回は近代までの文学作品についてお話してくださるそうです。
またまたしっかり聞かせていただかねば!!
キーン先生をはじめ、今日の一日を下さった皆さんに心から感謝して
一日を締めくくります。
~明日は、
カナリア諸島の一つの島・
テネリフェに寄港します。
私の年代ですと、私の年代は
大滝詠一さんの♪カナリア諸島にて♪で、
なんとなく憧れのイメージを持っていますが(^^;)
どんな島なんでしょう。。楽しみです^^